千代田区神田大手町の司法書士が役に立つ話から笑い話まで☆

神田、大手町の司法書士MY法務事務所の代表が日常生活で役に立つ知識から笑える話まで気ままに綴るブログです。肩ひじ張らずに読んでってください♪

No.4 にゃんにゃんにゃん(2月22日)で猫の日! ペットのために民事信託って!?

昨日は2月22日、猫の日でしたにゃんにゃんにゃん(=^・^=)
ということで、こんなニュースを見つけました。

近い内にペットとして飼われてる数って犬と猫が逆転しそうですね。一昔前はペットの代表格は犬って感じでしたが…。散歩する時間もとれない現代人ってのも原因の1つななんですかね。飼うときは子供が「ちゃんと世話するから!」なんて言ったものの、数か月後には散歩はお父さんの仕事になっていた(笑)なんて笑い話も今後は減っていくのでしょうか。ちなみに私は動物が大好きなので犬でも猫でもムツゴロウさんバリに近寄っていきます(笑)

さて、癒し力抜群で可愛いペットですが、その一方、殺処分されている犬や猫も沢山います。動画に上がっている猫祭りが開催されている千代田区では、捕獲した猫に去勢・避妊手術を施して、2011年から殺処分0を実現しているそうですが、そうした地域は未だ少ないのが現状です。自分の身勝手でペットを捨てる飼い主が非難されるべきなのは当然ですが、実は人間の高齢化の影響がペットの世界にも波及しているのです。動画で紹介されているようにペットと共に施設に入るというのもその現れの1つではないでしょうか?私は、少し前まではそんな施設聞いたことありませんでした。

ところで、紹介されている施設のように、本人が亡くなった後も残されたペットの面倒を見てくれる施設に入所するというように、飼い主の死後の対策をしている場合はいいのですが、そうではない場合には問題が生じることもあります。

一般的に、犬の寿命は12~15年(大型犬はもっと短いようですが。)、猫の寿命は15~20年程度と言われています。そうすると、ある程度の高齢になってから犬や猫を飼い始めた場合、当然ながら飼い主の方が先に亡くなってしまうとか、病気や怪我によって世話ができなくなってしまうというケースは以前からありました。こうしたケースでは、相続人などの親族がペットを引き取って育ててくれれば良いのですが、そうでない場合には、捨てられた挙句に捕獲され殺処分されるとか、身寄りのない方の孤独死のケースだと一緒に餓死する、あるいは行政が家を片付ける際に保健所送りにされるといったことが続いてきたのです。

飼い主が亡くなった以後のペットの世話について安心して任せられる人がいればいいのでしょうが、

・親族はいても、動物アレルギーを持っている。
・親族はいても、ペット禁止の住居に住んでいる。
・親族はいても、動物が嫌いで世話をしたがらない。
・親族はいても、疎遠になっていて頼める関係性にない。
・身寄りがなく、ペット好きの知人はいるが、飼育費や療養費のことを考えると頼むのも気が引ける。

といった場合には、ペットの行く末に不安が残ってしまいます。また、これからペットを飼いたいと思っている方も、このような点を考慮すると踏ん切りがつかないというケースもあるでしょう。そこで今回ご案内したいのは…


実は、飼い主死亡後のペットの将来についても、民事信託で問題解決できちゃいます!

ということ。いわゆる動物信託とかペット信託とか言われているものです。

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例えばこの図のようなケース、飼い主Aには子Bがいるが、動物アレルギーがあるとかペット禁止マンションに住んでいるのでペットを飼えないという場合に、仮に飼い主Aに病気・怪我・死亡などがあってペットの世話ができなくなったようなケースであっても、事前に民事信託を用いて対策をしておけば、世話ができなくなった時以後、ペットは老犬猫ホームに預けて、その手続きや費用の支払いは信託財産を用いて受託者である飼い主の子Bが行うとすることも可能です。施設でちゃんと世話がなされているかを受託者Bに確認してもらい、世話の方法などに問題があれば他の施設に移すことだってできます。

もちろん、子が直接世話をできるのであればそうしてもらい、信託財産を飼育費用等に充ててもらうこともできます。この場合には信託財産は子の財産とは分別管理されていますから、ペットの飼育費等にのみ支出できるように定めることもできます。飼い主としてもペットの将来についての不安が解消されますよね。

また、民事信託を用いた場合、費用面が明確になるという利点がありますから、子や親族に限らずペット好きの知人に対しても受託者就任を頼みやすくなり、ペットを見守ってもらうことが可能になります。更に、信託監督人(受益者のために受託者を監督する者)を付すこととすれば、飼い主も安心できるのではないでしょうか。

※信託監督人については、万が一、受託者が任務を果たさない場合でもペットがそれに対して抗議することができないことから、民事信託の正常な運営確保のために付しておくことをおすすめします。


民事信託は事案に応じてスキームを構築する性質上、ここで全てをご案内することは難しいので、今回は動物(ペット)信託のみについて概要だけざーっとご案内しましたがいかがですか?民事信託を用いた場合のメリットをまとめると、

①飼い主に病気や怪我があった、亡くなったなどにより、ペットの世話ができなくなった場合であっても、次の飼い主や老犬猫ホームなど行き先があるため、捨てられたり、殺処分されることはなくなる

②信託財産と受託者の財産とは分別されるため、仮に受託者が相続人である場合に相続財産について争いが生じても飼育費等は確保され、ペットの飼育費や療養費が不足するといった事態は避けられます

③飼い主や、飼い主が亡くなった後の飼い主の状況に応じて設定できるので、高齢者の方でも将来の不安なく、新たにペットを飼うことができる

といった点が挙げられると思います。デメリットとしては、専門家に支払う費用が発生してしまうことがありますが、上記のような大きなメリットがありますから、ペットの将来に不安を感じている方は専門家に相談することをおすすめします。今回は猫の日からの話だったので代表的なペットである犬猫を例に出してお話ししましたが、もちろん、それ以外のペットでも可能です。

千代田区の殺処分0が全国に拡がっていくといいですよね(^o^)丿それでは今回はここまで。

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