千代田区神田大手町の司法書士が役に立つ話から笑い話まで☆

神田、大手町の司法書士MY法務事務所の代表が日常生活で役に立つ知識から笑える話まで気ままに綴るブログです。肩ひじ張らずに読んでってください♪

No.42 「信託管理人マツド」を名乗る詐欺に注意!!

久々の更新ですが、これは緊急のお知らせです!!急いで書いていますので、誤字脱字等あったらご容赦ください。お知らせの内容を端的に述べると、「『信託管理人マツド』を名乗る詐欺にお気をつけください!!」というものです。新手の詐欺だと思われますので、迂闊に応対すると危険です。以下、現時点でわかっていることを記載します。

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本日(2018年12月7日)、弊所H.Pをご覧になった方(仮に、「Aさん」とします。)からお電話にてお問合せをいただきました。その内容は、「信託管理人のマツドという人の連絡先はわからないか?」というもの。しかし、信託管理人を(例えば司法書士日本司法書士会連合会に登録されているように)どこかの機関が登録しているというようなシステムはありませんから、当然ながら私にもわかりません。

おかしなお問合せなので、事情をお聞きすると、「信託管理人を名乗るマツドという人からメールがきて、『あなたの知合いが亡くなった。ついては、あなた宛の財産を分配したいから連絡して欲しい』と言われているのだが、マツドという人はそもそも知らないし、電話したいのだが連絡先の記載もないので困っている。」とのこと。

そして「メールができない状態なので、返信することもできない。」ということでした。Aさんは当初、信託管理人については何らかの公共機関に名簿が登録されていると思われていたようでしたが、上記のようにそういうシステムはありませんから、「信託管理人のマツド」というだけでは連絡先はわからない旨をお伝えすると、「そういうことならわかりました。」とご納得されたようでした。

その後、約30分経った頃、同じく弊所H.Pをご覧になった方(仮に、「Bさん」とします。)からお問合せのお電話。驚くべきことに内容が同じ!!「マツドという人からメールがきて、『あなたの知合いが亡くなった。ついては、あなた宛の財産を分配したいから連絡して欲しい』と言われているとのこと。

 

こんなことあるか!?同じ「信託管理人マツド」から「財産をあげる」旨のメールがきたというご相談が同日に??

 

いや、あり得ないだろ!!

 

ということで、とりあえず、Bさんには新手の詐欺の可能性があることをお伝えしました。また、そのメールを差し支えなければ、弊所宛に転送してもらえば検討しますよとお伝えしたのですが、事情があって送れないとのことでした。

また、この方のときは、2回目ですから私も既に胡散臭いとは感じていたため、そもそも亡くなった方を知っているのかとお聞きしたところ、「知っている」とのご回答。オレオレ詐欺と同様に何らかの手法で知合いの名前を聞きだされたか、調べられたりしたのでは?とお尋ねしたところ、「そうかもしれない」とのことでした。

そして、この記事を書いていたところ、Aさんから再度お電話がありました。実は、Bさんからのお問合せの後、詐欺の可能性をAさんにも知らせておこうということで、電話したものの、Aさんは出られなかったのですが、着信を知っての折り返しでした。なので、詐欺の可能性をお伝えした上で、少し事情をお聞きしたところ、状況としては次のことがわかりました。

①出会い系のサイトを利用していたところ、そのサイトを経由して、メールが来るようになった。
②信託管理人マツドから、かなり頻繁にメールが来るため、直接話をした方が早いとのことで電話しようとしたが、番号が判明しなかった。
③Aさんは、亡くなった方を知らなかった。>>この点、おそらくBさんはたまたま同じ苗字の方が知り合いにいただけだったという可能性もありますね。
④(聞き取りの結果)民事信託における委託者死亡により、残余財産受益者としてメール受信者が指定されているとのスキームになっているようである。
⑤メールを送受信するには、ポイント(有料)が必要。

ここまでわかったら、結論としては、詐欺でほぼ間違いないと思います。財産をもらえることをエサにメールをさせて、ポイントを買わせようとしているのか、相手の反応によっては、財産を渡す前の保証金として先に金銭の振込みを求めてくる(ありがちな手法ですが。)のか、とにかくまともな話ではないでしょう。まともな信託管理人が出会い系から連絡してくるということは考えられませんしね。ただ、民事信託は、ご存じない方からすると、理解しにくい面もあるでしょうし、その点を突いてきたということかもしれません。

対策としては、次のような点に注意です。

①そもそも出会い系から信託管理人から連絡があるということは考えにくいので、そのようなことがあったら、まず疑ってかかるべきです。
②残余財産(信託終了時に残っている信託財産)を親族以外に渡すことは可能ですが、知らない人から渡されるってことは通常、あり得ないですよね。よくある名前だとかぶってしまい「あの人かな」なんてことを思ってしまうかもしれませんが、その程度の知人から財産を渡されるなんてことがあるだろうか?ということを考えてみてください。
③仮にその信託管理人が本物だとして、何らかの必要があり連絡をとってきたとしても、身分はきっちり明かすはずですし、そうでないなら疑わしいと考えるべきです。それが例えば士業の専門職であれば、身分証を持っているはずですし、登録の有無を調べることもできます。
④もし、判断がつきにくいようであれば、司法書士や弁護士など専門職に相談してください。第三者の立場で冷静に判断してくれるでしょう。

出会い系サイトを利用することで、こういうことがよくあるのかは定かではありませんが、同日に同じ件でご相談があるということから、一斉送信で相当な数のメールが送られている可能性があります。また、今後は出会い系サイト以外でも類似の手法を用いてくるかもしれませんから、「自分は出会い系を利用していないから大丈夫」とも言い切れません。この記事が少しでも注意喚起になればと思います。民事信託を主力業務の一つとしているMY法務事務所としても、民事信託が悪用されるのは許し難いですからね。

以上、注意喚起でした。
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