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千代田区神田大手町の司法書士が役に立つ話から笑い話まで☆

神田、大手町の司法書士MY法務事務所の代表が日常生活で役に立つ知識から笑える話まで気ままに綴るブログです。肩ひじ張らずに読んでってください♪

No.2 固定残業制だからサービス残業はしょうがない…ことはありません!

数日前に、『来春卒業の学生に対する企業の採用広報活動が、来たる3月からスタートすることを受けて、大学教授や弁護士などで構成する「ブラック企業対策プロジェクト」が、厚生労働省に対して求人情報の表示に関する申し入れを行った。』

との記事を見つけて、ちょっと思い当たることがあったので、ちょっと一言。

報道によると、今回の申し入れは主に、いわゆる「釣り広告」を止めるように事業主に呼び掛けるよう、厚労省に求めているようです。その中でも特に「固定残業代」の表示方法について、詳細が明記されていない場合が多く、これに釣られる学生が多いとのこと。

これ、納得です。規模の大きな会社でさえ、固定残業代についてはきちんと表示せず、入社した後に気付くような仕組みを敢えてとっている会社は結構あります。これから就職しようとする学生はそこまでは気がつかないケースが多いでしょうし、そもそも「残業代はちゃんともらえますか?」なんて入社説明会や面接では聞きにくいですからね。しかも、日本社会は未だに転職が否定的に見られてしまうことも多いから、入社した後で「こんなはずじゃなかった。」と気付いても、なかなか辞めづらい。まぁこういう人集めの方法を使っている会社はそこまでわかったうえでやっているんでしょうが…。

さて、ここで「固定残業代」について、簡単に説明すると、「あらかじめいくらと設定されている残業代」のことです。例えば、「残業代は月5万円(月40時間、これを上回る手当は支給しない。)」などと決められている場合を指します。(ちなみにこのような定め方は無効です。詳細は後で説明します。)このような定め方に従うと、40時間を超えて残業した場合は働けば働くほど労働者は損をすることになります。いわゆるサービス残業ですね。例えば月に20時間程度しか残業がない月もあるという場合は、労働者にもメリットがあるのですが、現実には、まず毎月40時間を超えて働かせる会社が敢えてこの制度を悪用している場合が非常に多いのです。

就活中の方、よく調べてから決めた方がいいですよ!そして既に、「そんな会社で日々、サービス残業だよ。」という方には、是非、泣き寝入りせずに残業代を請求することをおすすめします。

でも、就業規則で決まってたら、従うしかないんじゃないの?

いえいえ、そんなことはありません。就業規則で定めていれば何でも有効という訳ではありません。固定残業制が有効となるには次の要件を満たしていることが必要です。

①固定残業制を採用することが労働契約や就業規則の内容となっていること。(就業規則において定めている場合には、労働者に周知されていることを要します。)
②通常の労働時間に対する賃金と、固定残業部分に対する割増賃金部分が明確に区別されていること。

労働基準法に基づき実際の残業時間を基に計算した割増賃金の額が固定残業部分に対応する割増賃金の額を超える場合には、その差額を支払うこと。

これら①~③の要件を満たさない場合には、その会社における固定残業制の定めは無効です。そして、固定残業制を採用している会社の多くが要件を満たしていないんです、残念ながら…。私が以前、担当していた未払残業代請求事件においても、ある一部上場企業の100%子会社である全国規模の会社において、毎月のようにサービス残業が50時間前後存在するという事例がありました。このときの未払残業代はかなり高額なものになりました(既に解決済みで、しっかり払っていただきましたけどね。)。ですから、「毎日サービス残業だよ。」という方も諦めるのは早いですよ!

そうそう、多くの方が退職後に未払賃金を請求されると思いますが(在籍中は居づらくなるという理由で、実際に請求するのは退職後という方が多いんです。)、できれば在籍中にタイムカード、就業規則、給与規程、労働契約書などの証拠はコピーを取るなどして収集しておいた方がいいですよ。辞めてからだと集めにくくなりますからね。タイムカードさえ採用されていない場合には、毎日の就業時間を手帳などにメモしておいてください。それでも証拠として使えますよ。

余談ですが、私は月曜9時放送の「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」というドラマを観ています。主人公が務めている介護施設や相手役が務めている引越し会社もかなりブラックだな~なんて視線で見てしまうんですよね。職業病かな…(笑)最終的にはハッピーエンドになってほしいけれど…。タイトルから察するにそうはならないのか…。

弊所ホームページには未払賃金・残業代請求の専門ページがあります。良かったら覗いていってくださいね。