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千代田区神田大手町の司法書士が役に立つ話から笑い話まで☆

神田、大手町の司法書士MY法務事務所の代表が日常生活で役に立つ知識から笑える話まで気ままに綴るブログです。肩ひじ張らずに読んでってください♪

No.23 「法定相続情報証明制度」(仮称)で相続手続きが簡素化されます!

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相続に関する業務や事務を取扱っている方に朗報です!相続手続きに要する時間と実費を縮小できる制度「法定相続情報証明制度」(仮称)が創設され、来年度中には運用が始まる模様。具体的には、相続関係を証する戸籍謄本等の書類の取得通数を減らせることになると共に、金融機関や証券会社等での相続手続きにかかる時間が短縮されることになると思われます。というのも、7月6日付の日経新聞電子版において、次のような報道がなされたからです。

法務省は5日、遺産相続の手続きを簡素化するため、相続人全員の氏名や本籍地などの戸籍関係の情報が記載された証明書を来春から発行すると発表した。これまでは不動産や預金などを相続する場合、地方の法務局や銀行にそれぞれ全員分の戸籍関連の書類を提出しなくてはならなかった。今後は必要書類を一度集めて法務局に提出すれば、証明書1通で済む。
法務省は年内にパブリックコメント(意見公募)を実施した上で、今年度中に不動産登記規則を改正し、2017年度の運用開始を目指す。
新たに導入する簡素化に向けた制度では、相続が発生した場合、まず相続人の一人が全員分の本籍や住所、生年月日などを記載した申請書類をつくり、相続人全員分の戸籍と亡くなった人の戸籍をそろえて法務局に提出する。
この書類をもとに法務局が証明書をつくる。書類を精査し、内容を確認すれば、公的な証明書として保管する。相続人には証明書の「写し」が交付される。証明書は別の法務局でも使えるため、地方の不動産などを相続する場合、負担軽減につながる。
法務省は各金融機関でも相続申請時に証明書を活用できるよう調整する。預貯金などの遺産も相続人は金融機関ごとに大量の書類を用意する必要があるうえ、金融機関側でも審査に多大な手間がかかっている。書類の確認作業を一度にして、証明書を様々な所で使えるようにすれば、相続人と金融機関の双方の利便性が高まるとみている。
相続時に価値の小さい山林などの不動産相続が放置される事例は多く、社会問題になった例もある。東日本大震災時には住宅地の高台移転事業の際、既に死亡した人の名義のままで現在の所有者が分からない土地が多くあり、自治体の用地買収が難航し、復興工事の遅れにつながった。法務省は煩雑な相続手続きがこうした問題の一因だとみて対策を検討していた。
相続のあり方の見直しを巡っては、今回の見直しとは別に法制審議会(法相の諮問機関)の民法部会が6月に中間試案をまとめた。結婚期間が長期にわたる場合に配偶者の法定相続分を2分の1から3分の2に引き上げることなどが柱で、様々な論点で見直しの検討が進んでいる。 

 ▼遺産相続 不動産を遺産相続する場合、死亡した人と相続する人の双方を確定するために書類の準備が必要だ。被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本がいるほか、転籍や婚姻をしている場合は除籍謄本も必要になる。相続人全員の戸籍謄本や住民票、遺産分割協議で相続した場合は遺産分割協議書や印鑑証明書もそろえなければならない。
 現行制度では複数の地域での不動産相続や金融機関の預貯金の相続を申請するたびに書類一式が必要だ。法務省が来春始める新制度では最初に申請する法務局で証明書をもらえば、次の場所ではその証明書のみで申請できる。
 現行では書類に不備があると再提出が求められ、手続きの遅れにつながる。複数の金融機関の遺産を相続する際には、1人の被相続人について各金融機関が別々に確認作業に追われ、無駄な労力を費やしているとの指摘もある。

 』(記事、ここまで。)

この制度、運用が始まれば相続に関係する業務や事務に関係する多くの方に影響が出ます。それも良い方向に。(証明書を発行する法務局の職員方は、業務が増えることになり、対応しきれるのだろうかという心配はありますが(笑)。)

上記枠内でも触れられていますが、現行実務では、相続登記申請や金融機関等での名義変更等の手続きを行う際には、亡くなった方の出生から(少なくとも生殖能力を得る年齢から)死亡に至るまでの戸籍謄本等が必要となります。新制度が運用開始となってもこの点は変わりませんが、取得通数は各1通で足りることになります。これは結構大きい違いですよ。現状、亡くなった方が多くの金融機関や証券会社等に口座を持っていた場合には、1通では足りない、あるいは不便が生じることがあります。例えば、その金融機関の支店が近くにないような場合です。この場合、戸籍謄本等の相続関係を証する書類を郵送にて送付することがあります。そうなると資料一式が手元を離れることになりますから、その間、他の金融機関に資料を提出することができなくなります。そこで、原本が戻ってくるのを待つか、同じ謄本を別に取得することが必要となってしまうのです。つまり、時間や費用が余分にかかってしまうんです。郵送して戻ってくるまでは概ね1週間かかりますし、戸籍謄本の取得は1通450円、除籍謄本や改正原戸籍は1通750円の手数料がかかります。更に相続関係が複雑だったり転籍が多いケースでは取得を要する資料は多くなるという事情もあります。その結果、口座や取引先の数が多いケースでは、馬鹿にならない時間や費用がかかることになる訳です。

これら資料の提出を受ける金融機関等の側でもメリットはあります。現状では提出を受けた資料を各金融機関が各々、必要な資料が揃っているのかを確認しています。となると、各支店または相続事務センター等の専門部署に戸籍謄本等の読み方に精通した人物を置く必要があります。新制度により法務局が相続関係を証明してくれるのなら、その負担は間違いなく減るでしょう。作業工程が減るのですから手続きにかかる期間も短くなることが期待できます。

更に、私のように、遺産承継(遺産整理)業務を受ける側としても、各金融機関等で手続きを行う際に沢山の資料を持っていく必要が無くなります。現状では、ケースによっては相当分厚い資料を持ち歩くことになってしまいます。筋トレと思えばそれも悪くは無いのですけどね(笑)。

このようにいいこと尽くめの「法定相続情報証明制度」(仮称)、期待できそうです。年内にパブリックコメントが実施されるようで、これを経たうえで、予定通りいけば来年度実施ですよ!

ということで今回はここまで。遺産承継(遺産整理)業務の詳細はこちら。覗いてみてくださいね☆

www.myshiho.jp