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千代田区神田大手町の司法書士が役に立つ話から笑い話まで☆

神田、大手町の司法書士MY法務事務所の代表が日常生活で役に立つ知識から笑える話まで気ままに綴るブログです。肩ひじ張らずに読んでってください♪

No.22 逃げ得を許さない! 裁判所が債務者の口座を特定できるようになりますよ!!

先日、報道されたニュースのなかに気になったものがあったので、取り上げたいと思います。その内容は、『裁判などで確定した養育費や賠償金の不払いが横行していることから、法務省は、支払い義務を負った債務者の預貯金口座を裁判所を通じて特定できる新たな制度を導入する方針を固めた。』というものです。

これ、まだ詳しい運用指針が出ていないのではっきりしたことは言えませんが、きっちりしたものにしてくれれば、非常に便利なものになるんじゃないかと期待しています。なお、6/4付読売オンラインで報道されている内容は次のとおり。

裁判などで確定した養育費や賠償金の不払いが横行していることから、法務省は、支払い義務を負った債務者の預貯金口座を裁判所を通じて特定できる新たな制度を導入する方針を固めた。強制執行を容易にするため、裁判所が金融機関に口座情報を照会して回答させる仕組みで、早ければ今秋にも法制審議会(法相の諮問機関)に民事執行法の改正を諮問する。不払いに苦しんできた離婚女性や犯罪被害者など多くの債権者の救済につながる可能性がある。裁判所の判決や調停で支払い義務が確定したのに債務者が支払いに応じない場合、民事執行法は、裁判所が強制執行で債務者の財産を差し押さえられると定めている。だが、現行制度では債権者側が自力で債務者の財産の所在を特定しなければならず、預貯金の場合は金融機関の支店名まで突き止める必要がある。

強制執行を容易にするため、裁判所が金融機関に口座情報を照会して回答させる」という点に注目です。記事にもありますが、現行実務では強制執行の対象が預貯金(厳密には預貯金の支払請求権)である場合、債権者側においてその預貯金が存在する金融機関の支店名まで特定しなければなりません。例えば、せっかく債務者に対して100万円の支払いを命じる判決を得たとしても、その債務者がどの金融機関のどこの支店に口座を有しているかを調査しなければなりません。当然ながら債務者側が自ら財産のありかを教えるなんてことは考えにくいため、口座情報がわからない場合には債権者はあの手この手で調べたり、「恐らく債務者の住所の近隣の支店の内、いずれかにはあるだろう。」などといった決め打ちで執行申立てをするしかないというのが現状です。しかし、これ、はっきり言って無駄が多い!執行手続を踏んだとして、その支店に債務者名義の口座が無かった場合、「口座が無い」ことがわかるだけで、金融機関が、「その支店にはありませんが、別の〇〇支店にはありますよ。」なんて教えてくれる訳でもありません。無駄な費用と時間がかかるだけなのです。

 

債権者は確定判決と言うお題目が欲しいのではない!現実の弁済が欲しいのだ!

 

という本来の債権者の趣旨を考えると、どうにも歯がゆい制度なのです。そして更に腑に落ちないのが、「債権者側で支店を特定しないとならない」というのは、単に技術的な問題で必要ということではないという点。例えば税金を滞納している人がいるとして、その滞納者の口座が存在する金融機関の支店がわからないという場合には、現行実務においても調査が可能であり、金融機関もこれに応じているのです。すなわち、技術的には現在においても債務者の口座の調査は可能なのです。これには私も疑問を感じていました。よって、今回の決定は大歓迎です。ただし、冒頭でも書いたとおり、実際の運用の詳細が決まった訳ではないので期待込みで…ということですが、将来、充分な内容のものとして運用されれば、報道にもあるように養育費や賠償金の支払確保に大いに役立つものとなるでしょう。

この件は実務にも直結する部分であり、今後も推移を見守りたいと思っています。
それでは今日はここまで。

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