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千代田区神田大手町の司法書士が役に立つ話から笑い話まで☆

神田、大手町の司法書士MY法務事務所の代表が日常生活で役に立つ知識から笑える話まで気ままに綴るブログです。肩ひじ張らずに読んでってください♪

No.28 相続の承認や放棄に関する熟慮期間の伸長と準確定申告期限との関係

久々の更新になりますが、今回はタイトルどおり、熟慮期間と準確定申告期限の関係性についての話題です。熟慮期間は家庭裁判所に請求することで伸長することができますが、その場合の準確定申告(納税者が年の中途で死亡した場合の確定申告)の期限はどのように取扱われるのか、という点を中心にご案内していきます。

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まず、「熟慮期間」については次の条文をご覧ください。

(相続の承認又は放棄をすべき期間)
第915条 相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から三箇月以内に、相続について、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない。ただし、この期間は、利害関係人又は検察官の請求によって、家庭裁判所において伸長することができる。
2 (省略)

 

相続が開始すると相続人は、単純承認・限定承認・相続放棄のいずれかを選択することになります。選択するうえで、相続財産の内容や、他の相続人が何名いるのかなどの重要な点を考慮することになりますから、その調査をして判断をするための時間的余裕を相続人に与える趣旨で設けられているのが「熟慮期間」であり、原則として、自己のために相続があったことを知ってから3か月間となります。

※熟慮期間についての詳細は、下記リンク先の弊所H.P内「相続関連業務Q&A」よりご覧いただけます。

www.myshiho.jp

続いて、「準確定申告」ですが、まず、所得税については毎年所得税は、毎年1月1日から12月31日までの1年間に生じた所得について計算し、その所得金額に対する税額を算出して翌年の2月16日から3月15日までの間に申告と納税をすることになっているのは周知のとおりです。しかし、年の中途で死亡した人については、相続人が1月1日から死亡した日までに確定した所得金額及び税額を計算して、相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内に申告と納税をしなければなりません。これを準確定申告といいます。

相続人が複数名いる場合には連署にて準確定申告書を提出することになりますが、他の相続人の氏名を付記して各相続人が別々に提出することもできます。この場合、申告書を提出した相続人は、他の相続人に申告した内容を通知しなければなりません。また、提出先は被相続人(死亡者)の住所地の税務署です。相続人の住所地ではありません。

さて、ここまでが前提となる知識で、ここからはもう少し進んだお話です。熟慮期間については、上記の条文中に「ただし、この期間は、利害関係人又は検察官の請求によって、家庭裁判所において伸長することができる。というただし書きがありますよね。財産の種類や量が多い場合や、被相続人が会社経営者であったため会社の借入金を連帯保証していて債務の調査を要する場合など、相続財産の確定に時間がかかるケースでは、この規定が生きてきます。「とても3か月では間に合わないな。」なんてときは、早目に申立てるのが賢明です。また、複数回の伸長も可能ですから、3か月伸長された後に、やはり間に合わないということで、更に伸長の申立てをすることもできます。

ちなみに申立先は、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所です。きちんと書類等を揃えて申立てれば、基本的には認められると考えて良いでしょう。

ただし、気をつけなければいけないのが準確定申告期限との関係。上記のとおり、準確定申告期限は、相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内ですから、熟慮期間の伸長がなされた場合には熟慮期間満了より先に準確定申告期限が到来することになります。ついつい、「裁判所が伸長を認めているのだから、準確定申告の期限も熟慮期間満了までは先送りされている」と考えてしまいそうですが

 

家庭裁判所が熟慮期間の伸長を認めたからといって、準確定申告期限も併せて先送りとなるわけではありません。

 

この点は切り離して考えなければいけませんから、くれぐれもご注意ください。つまり、未だ熟慮期間中であるにも関わらず、準確定申告は先に行わなければならないこととなります。これを怠ると、無申告加算税や延滞税を課されることになってしまいますよ。

また、上記のとおり、熟慮期間の伸長を複数回することも可能ですから、場合によっては熟慮期間中に相続税の申告期限(相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月以内)が到来することもありますが、この場合も準確定申告期限と同様に先送りにはなりませんから、やはり注意が必要です。

弊所でご相談やご依頼を受けている場合には、これらの点もご案内はしておりますが、ご自身で熟慮期間の伸長をされている場合には、準確定申告も忘れずになさってくださいね。

 

久々の更新でしたが今回はここまで。相続に関する情報にご興味がある方は是非、司法書士MY法務事務所H.P内「相続関連業務」のページをご覧くださいね☆

www.myshiho.jp